2010年5月31日月曜日

因果関係を計算して力を借りる

  達成したいと思うレベル STEP 3 準備の段階は次の段階へ進むか、あるいはレベルダウンして考えている段階に戻るか、大事な局面です。
 
 達成の可能性は目標の高さもありますが、確実な計画次第です。確実な計画とは、人、物、金、事の因果関係を計算したものです。しっかりした計画の度合いで、結果はピンからキリほど差が出ます。
 
 計画がしっかりしていると達成の可能性は高まり、雑だとさんざんな結果にもなります。
 
 計画の中身については、部下としっかり話し合います。実行当事者である部下に自信をつけてやる作業は欠かせません。計画の打ち合わせがあるのと、ないのでは天と地の開きがあります。
 
 
 
 ちなみに計画の打ち合わせとは部下と相談することではありません。
 
 部下の方が相談したい立場にあるのですから、部下を不安にさせないのがコツです。
 
 部下に「これならやれそうな気がする」と強く感じさせてやらないと、どうせできそうにないので取り組んでも仕方がないと選択されては元も子もなく、なにより興味を示しません。
 
 一応やるポーズは見せますが、ポーズは混乱のもとでしかありませn。
 
 弱い立場にある人は、その場を「ふり」でやり過ごすことが少なくありませんが、それを責めても意味がありません。「ふり」しないと事態がますます、厄介になるだけなのですから、それも生活の知恵です。
 
 そのうち叱咤激励している上司の方もポーズになってしまうのがオチです。それも生活の知恵です。
 
 
 表面的なやりとりに終始していては、仕事も自分も台無しにしてしまいます。
どうにもこうにもならない怠け者もいますが、大半の人は意欲的に暮らす方が断然楽しいわけですから、ポーズはやめて、、どうしたら心から熱くなれるのか、お互いに楽しく過ごすために煮つめます。

 上司が目標達成の方法を十分すぎるくらい知っていて、根拠が説明できないと意欲は引き出せません。
 
 達成の可能性をゼロと思っているネガティブな人を相手に、達成の可能性に確信がもてるほどに変えるわけですから、やり方の知識だけでなく、それ相応の心の準備と説明が必要です。具体的な事実に基づいた達成の確信が上司には必須です。
 
 上司が分らないでグラグラしていると、部下に確信を持たせようがなく、「頼りないな、そのくせ、偉そうにナンだ」と思われるのがオチです。
 
 
 実際の仕事の現場には、そうでない上司もいます。考えただけで逃げ出したくなる上司もいます。その気持ちや態度を責めても仕方がありません。
確信がもてる説明が無理なら、「自分もあきらめずに一生懸命にやるから、一緒にやろう」とハートで迫る態度はすごく大切です。反則ですが、それで効果をあげている人もいます。使うのが上手な上司です。つまり、人の力を借りるのがうまい人です。これはこれで因果関係を正しく計算できる人です。
 
 
 

2010年5月27日木曜日

考えている段階から達成したいと思うレベルへ進む

 STEP 2. 考えている段階(達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がないかな。)は誰にでもありますが、個人差が大きいのがこの段階。

 STEP 2. 考えている段階から先の「達成したいと思うレベル」に進むのか進まないか、自己実現、仕事、学業、恋愛、結婚など大切なことであるほど、選択する局面では、感情的な選択、いわゆる一時の気の迷いで決めてしまわない限り、迷うのも無理がない。

 大事なことだから慎重に・・・・それ自体は間違っていないけれど、判断の裏付けすることもなく、ただ迷うばかりで、あるいは意味なく先送りするのは、単なる行動力のなさでどちらもNG。時にはチャンスを逸してしまいます。

 慎重とは、裏づけや準備をしっかりすることであって、迷っていることではありません。行動しないデメリットに突き上げられて、「なんとかしないと」、「やらなければいけない」、「どうしたらいい」と迷うばかりで、いつまでも何も変わらず、感情的な空回りを繰り返し。先送りばかりで「やりたい」になることはない。あるいは最後には感情的になってエイヤー。どちらにしても必要なところに、エネルギーが回らず、いい結果になりません。

 迅速で的確な判断によるはっきりとした自覚こそが大事です。迅速を強調するのは、裏づけや準備をしっかりすることの強調です。それなしに判断ができないからです。
重要な案件をいくつも抱えているのに、迅速な判断を下す人は判断のルールを持っているものです。

 はじまりは無関心。やがて関心を持って、やりたい、達成したいと思う段階に進んでいき、達成したいと思って取り組むのと、それほどでもない状態のままに取り組むのでは結果が違って当然です。明確な意識は目的、目標、計画をそれぞれ整理するうえで欠かせないだけでなく、目的、目標、計画をそれぞれに動かすマネジメントに影響します。

 目的・目標達成の条件はマネジメントが機能するかどうかにかかっています。意識が明確なしにマネジメントできません。マネジメントはPDCAのサイクルを循環させること。計画がしっかりしているほど、実行後の状況が芳しくなくても修正もしやすいものです。計画とは準備そのもの、その点からも、心の整理ができていないまま、なんとなくスタートするのは目標も曖昧になるので、お勧めできません。

 まず、とても大切な作業を最初にします。なぜ、それに取り組むことが自分のためになるのか、しっかり見定めましょう。この段階では、することが三つあります。
・メリットとデメリットで心の整理
・達成の満足度と難易度のバランス
・肯定的な意見と否定的な意見の確認


■メリットとデメリットで心の整理

1) 現在の状態のまま場合のメリット(実行しないメリット)
2) 現在の状態のまま場合のデメリット(実行しないデメリット)
3) 達成した場合のメリット(実行するメリット)
4) 達成する場合のデメリット(実行するデメリット)
以上の4つの角度からメリットとデメリットを分析します。

 考えている段階では、どんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか、はっきりしないことでも、上の図のように書き込んで、マトリックスにして整理すると判りやすくなります。 頭のなかで考えていることも、書くことで明確になります。必ず文章にしましょう。

 考えがあっても、分っていても、文章にすると書けないことがよくあります。言葉にできない、書けない場合は、本当は考えが整理できていないのです。日常的に的確に判断する習慣がついていない人は、面倒がらずに、きちんと文章化することは成功に欠かせません。メリット、デメリットがはっきりしてくると心の整理をしやすくなります。

 このマトリックスは、交渉ごとを整理する場合、買い物を決める場合など日常的な判断をする場合に幅広く使えます。ぜひ習慣的に活用してください。

2010年5月26日水曜日

モチベーションアップ 6つのステップ

想像は現実ではありませんが、現実の体験の影響を受けています。

 モチベーションをアップするとは自然発生的に起こるネ ガティブな想像を乗り越えてエネルギーにすること。

▼目標を 達成するには、必ず通過するステップがあります。

 STEP 1. 目標達成を考える以前の段階(何も考えない、現状のまま。)

 STEP 2. 考えている段階
     (達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がない)

 STEP 3. 準備の段階 (達成したい)

 STEP 4. 実行の段階 (達成するぞ)

 STEP 5. モチベーション維持の段階(「自分にも達成できそうだ」)

 STEP 6. 満足の段階(「自分でも達成できた!」)




 最初、なにも考えていない状態にあるとします。
 
 【STEP 1.の状態】です。

 この状態にあるときに、目標にするべき情報が 当人にインプットされないとことは進みません。

 情報がインプットされて、はじめて考えだします。

 したほうがいい。したらこんなにいいことがあるというような情報も同時に インプットされないと心は動きません。


 たとえば「この商品を売ったらこんなに儲かる。だから販売したらいいよ」というようにインプットされて思案します。

 同時に「でもできるだろうか、そうは言っても難しいだろう な」というように反対意見も当人に生じて葛藤が起こります。

 この状態が【STEP 2.の考えている段階】です。まだまだ行動には進みません。



 「STEP 3の達成したいに進む」には、達成したときのメリットが分らないと私たち がなにかをどうしても欲しいと思うとします。

 でもお金がない。

 こんなとき、それで あきらめるようであれば、それだけの欲求です。



 欲求には、願望。欲望。必要。3つのレベルがあります。

 願望は空想に近いものです。
 欲望は願望がより現実的になったものです。
 必要は 欲望がより切迫したもので、実質的なものです。

 必要を満たすことは、願望や欲望を満たすよりも、深く大きな喜びを感じることができます。

 それだけ必要は、何をおいても最優先されるべき性質のものですから、どうしても必要だと思うと、お金がなくてもローンでも購入しま す。

 当人にとって、どうしても手に入れたいメリットがあるから、借金してでも買いたいと思うのです。

 通常、会社や店での目標は、この必要に位置するものです。

 取り組んで失敗している事例に共通しているのは、個人のプライベート、 会社の場合を問わずに、やるメリットが曖昧なまま、つまりSTEP 2~STEP 3の間でスタートした場合です。


 やりたいと思っていないのにスタートするのですから、それではうまくいかないのが当然です。。

 メリットとデメリットを知って、それでもやるだけのメリットがあると分った段階で、はじめてやりたいと思えるようになります。

 しかもその欲求が願望、欲望、必要のうち、必要と感じた場合に、達成したいと思うようになります。


 【STEP 3. 準備の段階】

 メリットは、デメリットと共に、次のように書き込むと分りやすく、整理しやすくなります。

 1) いまやっている仕事の仕方のメリット
 2) 目標を達成しない場合のデメリット(気がかり)
 3) 目標達成した場合のメリット
 4) 目標達成する場合のデメリット(気がかり)

 以上、メリットとデメリットについて下のように書きだします。


 ●いまやっている仕事の仕方のメリット

 ●目標を達成しない場合のデメリット

 ●目標を達成した場合のメリット
 
 ●目標を達成する場合のデメリット

 以上の4つに分類して、それぞれ書き込みます。

2010年5月16日日曜日

【モチベーション】やる気の出る秘訣

 そもそも、「モチベーション」という言葉は心理学用語ですが、日本で広く一般化したのは90年代末頃です。1998年に開催された『FIFAワールドカップ』フランス大会に日本が初出場、サッカーの人気が出始めたときに、マスコミによって頻繁に使用したのが始まりです。以来、日本ではスポーツの分野だけでなくビジネスの分野でも頻繁に使用されています。

 モチベーション(motivation)は、動機づけと訳されています。一般的には「やる気」「意欲」「士気」などの意味で曖昧に使われていることの多い言葉ですが、動機づけの意味は、モチベーションを理解する上でも、高める上でも重要です。

 たとえば、ある人が仕事に対して「一生懸命働きたい」あるいは「目標を達成したい」と意欲を持っているとします。その場合、理由もなく一生懸命に目標達成に努力している意欲の源になっている理由がなにかあるはずだと考えられます。

 確かに意欲的に行動をしている人には、「みんなに認められたいから」とか「もっと進歩したい」とか、「お金がもらえるから」とか個人的な理由が発見出来ます。動機が先にあるから、意欲が後からわいてくるという考え方です。

 それなら意欲的になっていない人でも、意欲的になる動機を与えてあげたら、意欲的に行動するはずだという発想に端を発しているのが「動機づけ」です。個人的にはガンガンやるような動機はないけれど、一生懸命に働いたり、学びたくなる原因となる動機を作ってあげると、意欲を高めることもできるので、望む結果も実現しやすくなるという考え方です。

 目標に向かって、どうなるのか見えないけれどとりあえず努力するやり方は効果的ではありません。物事には成功の鉄則があって、目標から「逆算」して、だからいまこうするという考え方は目標を達成する上で、とっても重要で、意欲のみならず、あらゆる面で必要かつ有効です。目標を達成するために必要な準備は全部やった上で行動する方法です。動機をつくるというのも要素のひとつとして欠かせません。つまり「仕掛け」です。

 モチベーションに似た意味の言葉に「インセンティブ」があります。広く浸透している「インセンティブ」は、「意欲刺激」とも言われています。
「モチベーション」が意欲を「本来の自分」にアクセスして心の内面から高めるのに対し、「インセンティブ」は,報酬などを期待させて意欲を「役割性格の自分」にアクセスして外側から高める働きをします。インセンティブは「報奨金」「奨励金」などの名目で使われるのが一般的です。



 インセンティブが役割の自分に働きかけるのに対して、モチベーションは本当の自分に働きかけます。本当の自分とは、人間の身体でいうなら神経のような役割をしています。その周囲にある「役割の自分」とは仕事などの役割で、後から作られていく性格をもった自分で、身体に置き換えると骨といえます。

 神経がやられたら身体がダメになってしまうように、本当の自分が機能しないと自己実現はできなくなります。モチベーションを引き出すことは、本当の自分を檜舞台に出してやるようにするといえます。モチベーションのことを、やる気を出させて、人を巧みに使う意味にとっている方もいるかも知れませんが、そうではなく「自己実現」で得られる喜びに向かう気持ちです。

 モチベーションを引き出すとは、互いに信頼、尊敬する関係を構築して、引き出される人が自分の行動による力で自分自身への信頼を回復して、自己主張ができる自立心を養い使うことで、自己実現を果たすことです。さらに共同体の役に立つことで、より確かな自信を持てるように勇気づけることです。

 だからインセンティブよりも、モチベーションの方が深く長期に、意欲を引き出すことが可能になります。それにしても「仕掛け」が重要なのです。「仕掛け」で決まります。どんな「仕掛け」が必要かというと感情レベルにまで到達できる仕掛けであることが条件です。感情レベルにまで到達することが不安を忘れさせるからです。考えることと、考えていけないことが逆になっているからやる気が起こらないのです。それを反対にすることがやる気の出る秘訣です。

やる気はIQではなくライフスキルの問題です。

2010年5月14日金曜日

選択の自由でモチベーションは変わる。

 アブラハム・マズローの欲求段階説からしたら、ビジネスも、勉強も、遊びも、スポーツでも、本当の自分を表現するツールといえます。

 自己実現したい、目標を達成したい。とほとんどの人は言います。自己実現したくない、目標を達成したくないなんて聞いたことがない。なのに、自己実現ができない。目標が達成できないのは、どうしてでしょうか?能力の不足なのでしょうか?

世間の主な尺度で測った「成功」を追求する人が多い。つまり自己実現でない成功を追いかける人が多いという意味です。努力できないのは、本当の自己実現ではないからです。他人の尺度で測った「成功」だから、本当にしたいと思っていないのです。

そんなものは本当の意味での成功とは呼べないと思います。ムリして必要でもない成功を追いかけている。成功は他者と比較できる性質のものではありません。他者の尺度で計れない。他者の物差しなんかいらないはずです。

たばこをヤメたいと思うのに、なぜたばこがやめられないのでしょうか?自分の気持ちが自分の思うように動かせないとはヘンな話です。それでも能力の問題なのでしょうか?そうではないのです。自分の脳で思うことを邪魔しているのは、なんでしょうか?自分が努力して邪魔して、自分の意志が通れないようにしているのです。邪魔しているのは、本当にしたいことが分からないからです。

自分のしたいことを、
      自分がどのようにして邪魔しているか、
                  考えてみましょう。

▼自己実現を妨げる問題のある行動

目標を達成するための行動を想像するといやになる。成功するやり方を聞いたりしたが、実行はしていない。そのやり方は過去にも取り組んだが、いつの間にか元のやり方に戻った。自分の習慣は、良い結果につながらないけれど、変えようとしていない。やらないといけないことは分かっているが、他にやる方法もあるのではないかと思う。

 自己実現を邪魔する行動は、いったいどこから来るのでしょうか?想像が意志を阻むのです。みなさんは相反する意志と想像が激突したら、どちらが勝つと思いますか?たとえば禁煙は簡単か、難しいか、どう考えますか?
苦労して禁煙に成功した人もいれば、

 禁煙できずに苦労している人もいます。簡単にやめた人もいます。禁煙したい願望は同じでも、プロセスや結果に違いが生じているのは、どうしてでしょうか?

 欲求のレベルには、願望、欲望、必要。の違いがあります。
 
 ・願望は空想に近いものです。
 ・欲望は願望がより現実的になったものです。
 ・必要は欲望がより切迫したもので、実質的なものです。

 意志の強さは欲求の強さの影響を受けます。必要と感じた場合に、目的や目標を達成する可能性は高くなります。しかし必要は理性的です。人間は感情の動物ですから、理性的な必要が感情にまで登りつめると欲求はもっと強くなる。つまり理性的な状態ではまだ弱い。

 欲求の違いは、想像の違いになります。想像は欲求の強さに比例しません。意志の強さに比例もしません。意志と欲求が比例しないのは、意志と欲求の間に想像が絡んでくるからです。想像は事実ではないが、欲求も意志も想像に支配されてしまう。意志も想像も脳で考えていることですが、相反する意志と想像が激突したら、間違いなく想像が勝ちます。

欲求が弱いとネガティブな想像に負けてしまう。想像に勝つには感情レベルになった「必要」が必要なのです。「どうしても必要なので何がなんでも手に入れたい。」という思い。

 意志と想像が同じ場合には、意志は想像に負けない。負けないでいると目標達成に疾走できるので、自己実現が容易になります。欲求を好ましい意志に置き換えるには、意志にふさわしい想像が起こるようにするといいわけです。それがなにがなんでも欲しいと思う感情レベルの必要です。感情を解放してあげる。具体的には、想像に注目しないで、感情に注目するようにする。

 選択なのです。どっちを選んでも自分の選択であることを忘れないようにしたい。どっちを選んだら、結果はどうなるのか。そのくらいの計算はできるはずです。モチベーションは選択の自由です。努力してモチベーションが下がる選択をしている人が多いのです。

2010年5月12日水曜日

自律型マネジメントでスピードアップ

マネジメントのはじまりは「目的」から落とし込んだ数値目標です。時間の流れの
早い現在、マネジメントを機能させるには、繰り返し話し合う時間、決める時間の
軽減は欠かせない条件です。

そこでまかせても安心な信頼性の高い「自律性」が重要になります。
まかせることは責任を引き受ける意欲に発展しますが、状況次第で不安にも、意欲
にもなります。モチベーションを引き出すには環境整備が欠かせません。

難易度と満足度のバランスを適正にして、「やれん気」から「これならやれる気が
する」さらに「やりたい気」にステップアップしていきます。「責任を引き受けら
れる」を「引き受けたい」に変えるのです。

図:やらん気~やりたい気マトリックス

   

それには、自分で参加し意見を出すこと、成功へのアイデアを出すことが欠かせま
せん。「これならやれそう」の気持ちは意見を出す者なら持つものですが、ひとり
よがりも少なくありません。いい提案は原理原則から逸脱せずに自由闊達のなかか
ら生まれます。マネジャーにとって、意見が活発に出るのは、ありがたい反面、複
雑になります。

マネジャーにはトップダウンの方が明らかに楽です。ピラミッド型のコミュニケー
ションはシンプルです。その分、モチベーションアップはマネジャーの力量に左右
され、育成もマネジャーの影響大です。

自律型マネジメントはピラミッド型のコミュニケーションにならず複雑です。蜘蛛
の糸のようにはりめぐらしたコミュニケーションになります。放置しておくと責任
の所在がはっきりしなくなり、誰も責任を引き受けない状況になることも多く、烏
合の衆になりかねません。

図:ピラミッド型と自律型



しかし、機能する自律型マネジメントでは、意欲、責任感の点で、トップダウンで
は得られない成果が得られます。自主性が発揮されやすいので参加者ひとりひとり
の「やりたい」と「忘れない」が効果を発揮するのです。理想はピラミッド型の蜘
蛛の糸(図:自律型)です。当たり前ですがマネジャーは忙しくなります。その場
合、不要なことを切り捨てないと、蜘蛛の糸は、ピラミッドから外れてしまいます。
外さないようにするには、必要なことだけに集中すること、つまり時間の使い方次
第です。