2011年10月17日月曜日

意識には苦手なことがある

無意識の行動とは、焦点を定めないまま脳が働く状態ですが、「意識する」とは焦点を定めて脳が働くように持って行くことです。つまり、意識するとは、気になることに注目することです。

「すること」に意識を持っていくことは比較的容易なのですが、脳は「しないこと」に注目することは苦手なのです。だから習慣化したことを変えるのが難しい。

頻繁に使う事例ですが、禁煙はこの典型的な事例で、「禁煙する」に意識は行きますが、次に吸いたいに意識が進みます。このとき、吸いたくないに意識がいけば本当に嘘のように簡単にやめることができます。

しかし脳は進め一辺倒なために、「禁煙する」→「吸いたい」→「我慢する」→「がんばる」と進んでしまうので、結果的に吸いたい気持ちをあおってしまい自滅するのです。

この展開は依存的な傾向にあるものほぼすべてにあてはまります。ダイエットの失敗でも同じで食べたいに意識が行き、食べたくないに意識が行かないのです。

恋愛でも同じことがいえます。「別れる」→「会いたくない」と進めば、未練心が起こっても微弱ですが、簡単にふっ切れます。ところが「別れる」→「会いたい」に進んでしまうと引き裂かれる気持ちが募り苦しみが大きくなります。

コミュニケーションに苦手意識を持っている方も同じことが言えます。会話している時、何に注目しているか、客観的につかんでいただくとヒントになります。
ある人は「うまく話したい」に意識が行き、「気にしない」を意識できなくなってしまうと言います。またある人は「よく見られたい」に意識が行き「敵対心を持ちたくない」を忘れてしまうと言います。

このようなミスを重ねるために、ますます自信を失い自己嫌悪に陥る人が少なくありません。その段階で「私はうまくコミュニケーションができない」と考えますが、その時こそ「私はうまくコミュニケーションしたい」と思うようにしてほしいので
す。煙草を吸ってしまったときこそ「煙草をやめられない」ではなく、「煙草をやめたい」と思うようにするのと同じです。

お分かりですね。意識の使い方が逆になっているのです。と、言ってもあなたのミスではなく、脳は「しないこと」を認識するのが苦手だからなのです。

だから意識することがより求められるのです。「分っているけどできない」のではなく、「分かったつもりでも、分かっていないからできない」のです。


モチベーションを高めるためにも、自分を責めずに、PDCAを使いましょう。反省して出直したらいいだけのことです。